どうやって保存する? 意外と知らない珈琲豆の保存方法

珈琲豆の保存法

珈琲店やスーパーで買ってきた豆を、袋のまま冷蔵庫にいれている方はいませんか? もし、あなたがそんな風に豆を保存していたら、今すぐ止めてください! それは、珈琲豆の保存方法としては最悪です。

ではどうやって保存すればよいのでしょう? そして、その理由とは? 豆の保存に関する疑問に、おひさま堂の珈琲焙煎士がお答えします。

この記事でわかる豆の保存のポイント
・焙煎後の珈琲豆は生鮮食品だと知る
・密閉容器に保存しなければならない理由
・保管時の最適な温度管理について



焙煎したその時から珈琲の香りはどんどん抜けていく?!


保存方法を考える前提として、まず大切なことをお話します。それは、「焙煎した珈琲豆は生鮮食品だ」ということです「え~、豆って保存食品でしょ?!」という声が聞こえてきそうですが、生鮮食品だと申し上げるのには、もちろんわけがあるのです。

豆は、焙煎するとその直後から、香りの成分がガスとなって豆からどんどん放出されます。珈琲豆を買うと良い香りがするのは、豆から抜け出たこのガスによるものです。でも、どんどん出ていくということは、いつかはなくなってしまう訳で、時間が経過してガスがなくなった状態になると、珈琲の香りは もはや残り香に近い状態になってしまします。

このガスが抜けるスピードが想像以上に速く、それにつれて香りも味もどんどん劣化していきます。だから生鮮食品のつもりで取り扱っていただきたいのです。

つまり、珈琲を美味しく飲むためには、このガスの放出をできる限り少なくするような保存方法を考えなくてはなりません。

保存の基本は密閉と温度管理



ガスの放出を最小限にするためのポイントは2つあります。まず最初は、保存容器についてみてみましょう。

■豆は、購入後できるだけ早く密閉容器に移し替えてください。
おひさま堂の珈琲袋もそうですが、店頭に並んでいる珈琲の袋には小さな穴が開いていることが多いのです。その理由は、先にお話した「豆から放出されるガス」にあります。ガスがどんどん出てくるので、穴をあけておかないと、ふくろがパンパンに膨らんで、新しい豆だと破裂してしまうことがあるからです。それを防ぐために、穴をあけてガスの逃げ道を作っているのです。

でも、ガスが逃げてしまっては、香りも飛んでしまいます。そこで、キャニスターなどの密閉容器に保存することが大切になってきます。密閉容器に入れ替えることで、容器内をガスで満たし飽和状態にすることでガスの出を遅らせることができます。

光の当たらない涼しい場所で保管していただければ、密閉容器に保存するだけで、豆ならおよそ3週間、粉でも1週間ほどは、香りや味をあまり損なうことなく、美味しい珈琲をお楽しみいただけます。

■保管場所は冷凍庫がベストです
上記の期間よりも長く保存したい場合は、密閉容器に入れ冷凍庫で保存します。使用時に解凍する必要はなく、出してそのまますぐに使えます。ただし、冷凍庫からの出し入れは素早くお願いします。のんびりとやっていると、真夏などは結露によって豆が湿気てしまうことがありますので……。

冷蔵庫内の温度では、ガスの発生を抑えられるほど低温にならないため、必ず冷凍庫に入れてください。もしも、買ってきた時の袋のまま冷蔵庫に入れると、ガスの発生が進み香りの成分が出きってしまった後は、逆に、活性炭入り消臭剤(キムコなど)のように庫内の臭いを珈琲豆が吸い込んでしまい、味も香りも最悪の珈琲になってしまいます。

なお、密閉容器に入っていれば臭い戻りはありませんが、ガスが抜けていくスピードを抑えることはできませんので、常温保存した場合とあまり変わらない状態になります。

なお、冷凍庫に入れる時に「キャニスターでは場所をとりすぎて困る」という時は、ジップロックのような冷凍袋でも代用できますが、氷や固く凍った冷凍品などと一緒に保存して万一破れたりすると、冷蔵庫に保存した時と同様に冷凍庫内の臭いが付着してしまいますので、ご注意ください。

次の動画では、ガスが発生して袋が膨らむ様子などをご覧いただけます。なぜ上記のような保存方法をとるのか、目で見て納得していただけます。


焙煎した珈琲豆は、ちょっとした工夫と気配りで美味しさを長く保つことができます。でも、やはり1番美味しいのは焙煎から間もない新鮮な豆です。ですので、美味しい珈琲を楽しむには、1週間くらいで飲みきる量を、こまめにお買い求めいただくことをおすすめします。
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