――こんにちは。豆屋の女房でございまする。
久しぶりの雨音までも静かに感じられる朝です。焙煎の火を見つめながら、今年も残りわずかだと思うと、自然と手元が丁寧になります。本日も、やさしい香りとともにお迎えいたします。(光冠の月弐拾四日 記す)
おや、お客さまは、初めてのお越しでございますか?
ならば、五大産地―珈琲大陸の物語から豆をお探しいただけますよ。
また、香味の羅針盤からご覧いただくのも一興かと……。
どうぞごゆるりと、ご覧くださりませ。
珈琲占星術師の書板 12月24日(水)の星読み=珈琲暦・光冠の月 弐拾四日・浸潤の日
選び取る力が試される日。
選別の刻を活かし、余計なものを削ぎ落とせば、本質は自然と残る。
本日、星々の導き示す豆は――「グァテマラ ピーベリー*焙煎士が磨きし宝珠の輝き」
凝縮した甘みとコクが、集中力と決断力を高めてくれるであろう。
焙煎に妥協なし!
──香り立つ一杯は、火と語らいし焙煎士の叡智から生まれしもの
我、ひと釜ごとに精霊のごとく豆と対話し、温度の律を読み、香味の兆しを見極めん。
それは、ただの焙煎にあらず、貴殿だけの味を紡ぐ“魔法”のような所作。人はこれを誂え焙煎(またの名をオーダー焙煎)の術という。 大きな魔導炉に任せて生み出される千の同じ味とは一線を画し、焙煎士が火の精と語らいながら、豆ひと粒ずつに魔法をかけるかのように生み出す“貴殿のための唯一の香りと味”なり。
さあ、貴殿の杯に注がれるその一滴から、味の冒険を始めよう! 珈琲の世界を旅する「珈琲叙事詩」、選択の扉を進む「体験:珈琲聖杯への道」など、この世界を楽しむ仕掛けも随所に。ごゆるりと、お楽しみあれ。
※ 初めてのお客人のためのご案内「おひさま堂 秘伝の書 ― 美味しき珈琲豆が生まれる三つの理由」も、ご注文の方法等を含め、必ずや貴殿の探求を照らす灯火となるだろう。
五大産地 ― 珈琲大陸の物語
珈琲の世界は五つの大地から紡がれる――それぞれが固有の香りと気質を宿し、貴殿の旅路を導く。 さあ、気になる大地の扉を開きたまえ。 香りと味を誇りに刻む豆たちが、貴殿に語りかけている──『我こそが、次なる一杯にふさわしき者』と。
※ どの産地が好みか迷いし時は「 珈琲叙事詩 旅路の章」が良き道標となろう。
香味の羅針盤─珈琲の旅路に道標を!
迷いの森に足を踏み入れし者よ──いま、香りが道を照らす。
「どの珈琲を選べばよいのか」と戸惑うその時、眼前にあらわれし「ふたつの道」。
「聖杯への試練」か、「時を刻む物語」か── ふたつの道が、貴殿の感覚を呼び覚ます。
さあ、楽しみながら、自らの“好み”を知る旅へ出よう。必ずや、運命の一杯が見つかることであろう。
古の王が隠せし秘豆を探せ! 光冠の月(12月)編
我が王国建国の際に、初代王は王国建国記に名を刻む六人の英雄に、それぞれの紋章と共に、秘豆や王国の贈り物のありかを知らせし「王恩の書簡」を贈ったという。そして、その書簡が、わがギルドのどこかに隠されていることが分かった。
今の世に残されし書簡の真偽を探り、伝説の宝豆を手に入れよ!
どの書簡から秘豆や王国の贈り物が現れるかは、貴公の運と選択しだいと心得られよ。なお、隠されし秘豆や王国の贈り物は、この封を解く以外、他のどこからも姿を現すことはない…。また、次なる封を開けしとき、現れた「宝豆への道筋(リンク)」は消え去るため、ご注意召されよ。
珈琲叙事詩―読んで旅する珈琲の世界
🪧 王立ギルドの文書館より《おひさま堂秘密の年代記》のご案内
「おひさま堂の成り立ちが知りたい御仁は、秘密の年代記をご覧あれ」
どうやら、あの珈琲屋にも裏物語があるらしい……。
勇者とその女房が歩んだ豆と笑いと波乱の冒険譚。剣も魔法も登場せぬが、なぜか笑いだけはそこかしこから顔を出す……?!






